世界で開発される医薬品の大部分は日本、アメリカ、EUの3極の地域において消費されています。このため、新薬を開発する製薬企業は、3極それぞれで臨床開発を行い、それぞれの規制当局からお墨付きをもらわなければなりません。
科学の進歩に伴い、新薬の許認可の際に要求される科学的データの質・量は飛躍的に高まっているため、日本、アメリカ、EUそれぞれで繰り返し試験を行なうのは、極めて非効率といえます。
世界のさまざまな国において、その国の規制当局がどのような申請資料に基づき、どのような承認審査を行なうかは、当然異なります。しかし、新薬の有効性、安全性を立証する科学的データそのものは、基本的には世界でただ一揃いあれば十分と考えられます。
そこで、医薬品申請の国際的な統一を目指して日米欧三極医薬品規制調和国際会議が91年から開かれ、各国間の調整が始められました。ここでまとめられた合意事項は、会議の名称の頭文字をとってICHレギュレーションと呼ばれます。
ICHは厚生労働省、米国食品医薬品庁(FDA)、EU委員会の規制官庁、およびヨーロッパ製薬団体連合会(EFPIA)、米国製薬工業協会(PhRMA)、日本製薬工業協会(JPMA)の産業側団体により構成され、世界製薬団体連合会(IFPMA)が事務局を務めています。
当初は、医薬品規制の標準化に重点が置かれ、薬の有効性、安全性、保健衛生の向上を議題にしていました。しかし、その後は市販後調査に視点を移し、安全性と副作用症例のデータの定期的な報告実施を取り決めました。