近年はインターネットで治験の参加者を募集するサイトが増えてきています

手軽にできる社会貢献です

治験への参加方法は以下の3タイプに分類されます。さまざまな症例を対象とした新薬の治験参加者が募集されていますが、なかでも胃痛、糖尿病、高血圧、高脂血症、排尿障害、不眠症、花粉症、水虫などの募集が多いようです。

医療機関での勧誘
治験が行われるのは、医療設備やスタッフの整っている大病院であることが多いので、持病をお持ちの方で、大きな医療機関に通院または入院している場合、主治医や治験コーディネーターから治験への勧められることがあります。説明をよく聞いて、参加するメリット・デメリットを理解したうえで、自分の意思で参加するかしないかを決めましょう。

「いつもお世話になっている先生だから、なんだか断りにくいしなぁ」などと考える必要はありません。断ったからといって、今後の治療に支障が出るようなことはありません。

募集内容は診療棟の掲示板や各診療科にポスターにより紹介されるケースもあります。

新聞、雑誌などの募集広告
1997年に「新GCP」と言われる医薬品の臨床試験の実施に関する省令が制定され、治験参加者への事前のインフォームド・コンセントと文書同意が、実施施設に義務づけられるようになりました。同意書の取得義務は捺印まで求められるため、治験へ参加する患者さんが減少し、十分な参加人数を医療機関内で募るのが困難になりました。

そこで、各製薬メーカーは、テレビや新聞、雑誌を通じて、治験参加者を広く一般の患者さんから募集するという、「治験参加者募集広告」をスタートさせました。近年はインターネットのポータルサイト上でも、「○×の大規模治験への参加者募集中」といった広告も見かけるようになりました。ちなみに、募集広告の第一弾はうつ病を対象とした治療薬でした。女優の木の実ナナさんが「私は、バリバリの鬱です」というコピーで、新聞の一面に大きく掲載されましたので、ご記憶の方も多いと思います。

治験参加者募集サイト
最近増えているタイプで、治験の募集サイトに掲載されている複数の案件の中から、自分の症状にマッチしたものを探して、ネット上から参加申し込み手続きを開始します。具体的な手順はサイトにより異なりますが、一般的には以下の通りです。

1.希望する治験の条件に合致するかを調べるための簡単なスクリーニング(ふるいわけ)のため、ネットで幾つかの質問に答えます。そして、参加の条件にマッチした方のみ、必要事項の記入が求められます。その後、画面上でお申込番号と治験コールセンターの電話番号が知らされます。

2.コールセンターへ電話すると、幾つかの確認事項や質問が行なわれます。確認後、電話での条件に合った人へは希望の治験実施機関(病院・医院)が案内されます。

3.コールセンターで紹介された病院へ行き、担当医師から治験の説明と診察を受けます。担当医師が今回の治験の条件に合うと判断し、治験の内容を理解、納得した上で参加希望する場合には同意書にサインをします。

これが本人の意思確認となるため、理解出来ない、納得できない、迷いがある場合はサインをする必要はありません。この段階で治験への参加をとりやめても問題ありませんし、なんらかの不利益を受けることもありませんので安心してください。

ネットから申し込み 電話で簡単な本人確認 健康診断を受けます 参加決定

治験に参加する被験者からよくある質問(FAQ)

以下に治験への参加を希望している方のためによくある質問をまとめてみました。

Q:治験とは何ですか?
A:製薬企業が新薬を開発する際に、厚生労働省の基準に従って行う臨床試験のことです
お薬の有効性と安全性に関するデータを収集するために行います。終了後は得られたデータを元にして、承認申請に必要な書類を作成します。近年は、製薬企業が自前で行うのではなく、CROと呼ばれる臨床開発受託会社にアウトソーシングする形で実施することが多くなっています。献血と同様に社会貢献を実感できる、謝礼があるなどの理由で参加者は増加中です。

Q:費用はかかりますか?
A:参加者に金銭的な負担が生じることはありません
使用される薬の候補物質は、開発する側の製薬企業から提供されます。薬の候補物質の投与期間中に実施される検査、X線などの画像診断の費用、対照薬が当たった場合の薬代などの投薬や注射の費用も、製薬企業が支払います。

Q:自分にはプラセボ(偽薬)があたらないようにできますか?
A:残念ながらできません
薬効成分を含まない薬剤をプラセボといいます。参加者の立場からすれば、プラセボを飲むのは損した気分になり、できるだけ避けたいという気持ちは当然ですが、参加者がどちらを飲むかを決めることはできません。プラセボがあたるかどうかはあくまでも偶然です。そうしないと結果にバイアス(偏り)が生じて、正確な結論が出せません。

Q:途中で体の具合が悪くなった場合、対処してもらえるのでしょうか?
A:もちろんです
参加者が必ず目を通す説明文書にも、万が一、健康が損なわれた場合には、必要な治療を行うことが明記してあります。治験中は、一般的な治療と同じかそれ以上に、医師は参加者の体に起こる変化について、詳細に調べ、すばやく対処できるようになっています。なにかいつもと違うなと感じたら、どんなことでも遠慮せずに、医師に伝えるようにしてください。

参加者には負担軽減費の名目で謝礼が支払われますが、お金を受け取るからといって、効果を感じない薬に「症状が治まった」などと申告したり、具合が悪くなったのに我慢したりするなどということは、一切する必要はありません。

Q:治験が終わったら、その候補物質はもう飲めないのでしょうか?
A:持病をお持ちの方の場合、医師にその旨を伝えると可能な場合があります
従来、厚生労働省の承認を得るまで、その薬の候補物質を手に入れることはできませんでした。
治験中にせっかく具合がよくなったのに、終了したら使えないというのでは、患者さんにとって不都合です。

そのため、現在では終了後も継続したいという希望する患者さんには、その薬の候補物質を継続的に使えるようになりました。終了後もその候補物質を飲み続けたいと思うのならば、その旨を医師に伝えるとよいでしょう。

せっかく条件にあった案件に応募しても、治験に進む前の段階で弾かれてしまうケースが増加しています。応募する際には、以下の項目に該当しないようにお気をつけください。

1.電話で本人確認ができない…どんな募集サイトであっても、本人確認のための電話があります。住所や氏名、健康状態を改めて確認するだけの簡単なものですが、携帯電話を連絡先にしている場合、セールス等と勘違いして電話に出ないなど、連絡がつかないケースが多くなっています。

2.過去90日以内に参加した経験がある…正確なデータを把握するため、全く別の症例に対するお薬であっても、過去90日(ケースによっては120日)以内にモニター参加の経験がある方は、弾かれてしまいます。