一つの医薬品が誕生するまでには10年以上の歳月と莫大なコストが掛かります。製薬は高付加価値、高収益の産業に属していますが、開発費の投入から回収までのタイムラグが大きいのが特徴です。
そこで医薬品の安全性に関する検査精度を変えることなく、時間短縮だけできないかと登場したのが、医薬品開発業務の中でも特に時間の要する治験だけをアウトソーシングとして請け負うCRO(医薬品開発業務受託機関)です。
具体的には、製薬会社や医療用具会社の製品開発業務の一部として、治験の企画、治験を依頼した医療機関の進行状況調査と確認を行なうモニタリング、品質管理(QC)、データマネジメント(DM)、統計解析、さらには承認申請資料の作成や市販後調査のフォローまでを受託します。さらに、開発戦略のコンサルティング、薬事コンサルティング、教育研修支援などもCROが扱う業務です。
治験業務の必要性は、新規医薬品の開発状況に左右されるため、企業がそのための人材を常に確保しておくことは大きな負担になりかねません。必要なときに治験の専門集団であるCROに委託することは、医薬品メーカーにとって経済的に大きな助けとなります。
CROは医薬品を直接販売するわけではないので、医療機関との連携もしやすく、治験を通してその関係を強化することで業務をより効率的に展開できると考えられ、医薬品開発のスピードアップも期待されています。
国内におけるCROは、日本で最初に設立(1985年)されたシミック社をはじめ、イーピーエス、MICメディカル、三菱化学メディエンスなど40社以上があります。また、パレクセル・インターナショナル社やクインタイルズ・トランスナショナル社などの米国大手企業も日本進出を果たしています。
CROへの転職で求められる人材は、CRA(治験モニター)、CRC(治験コーディネーター)やQCなどの臨床開発業務経験者、または薬剤師・看護師・MR(理系大卒)・臨床検査技師のいずれかの有資格者で経験があるなど方です。