培養細胞や動物を用いた試験で医薬品の効果と毒性を明らかにします

ガイドラインを遵守する必要があります

医薬品候補の効果や毒性を明らかにするため、培養細胞やマウス、ラットなどの動物を用いて行なう試験を「前臨床試験」といいます。具体的には、毒性試験、薬理試験、薬物動態試験の3つが適応に応じて実施されることになります。

毒性試験の目的は開発候補品を人に投与した際に考えられる有害な作用の程度を調べて、人での安全性を確保することです。通常、薬剤は投与量に比例して、薬理作用(効き目)が高まり、ある用量から毒性が発現して、薬剤によっては死に至ります。

期待される作用が現れる最少の量を「最少有効量」、最大の作用が現れる量を「最大有効量」、中毒症状が現れる量を「中毒量」などと予備、50%の薬理作用があわれてから50%致死量までの間隔が大きいほど、安全で効果が長い薬剤となります。

試験の内容は、致死量だけでなく、単回投与毒性試験、反復投与毒性試験、癌原性試験、遺伝毒性試験など様々な角度から検証され、動物種ではマウス、ハムスター、モルモット、ウサギ、イヌなどが使用されます。

これらの各試験はガイドラインに準拠し試験計画書(プロトコル)を作成し、標準操作手順書SOPに従い実施され、実施内容は信頼性保証部門QAUによって監査されます。

また、医薬品の安全性試験のデータの信頼性を確保するための規範としてGLP(Good Lavoratory Practice)が厚生労働省によって定められています。ただし、注意が必要なのは試験は動物で行なわれるということです。すなわち動物では害が見られなくても人に投与した場合には害が出るということは十分あり得るということです。

薬理試験は主に開発候補品がどのような効力を有するを調べるものです。ここでも副作用を予測するための安全性薬理試験が行なわれます。投与した医薬品は体内で吸収され、そして体内に広がり、そして代謝され、体から排泄されていきます。

薬物動態試験は動物を用いて、開発候補品の吸収、分布、代謝、排泄を明らかにする試験です。動物の体内に投与された薬物の血液中濃度が何時間で何パーセントになるか、目標とするからだの部位に何時間で到達するか、その何時間で体外に排泄されるかといった、薬物の代謝の経時的変化が測定されます。

また、経口投与、皮下注射、筋肉注射、静脈注射、座薬など、異なる投与方法による吸収と代謝の比較も行ないます。疾患によっては即効性が必要とされたり、持続性が求められたりすることもあるため、投与方法と投与量の目安を検討するわけです。

これらの非臨床試験をパスして初めて、治験の段階に進むことができます。治験は第T相(フェーズ1)から第V相(フェーズ3)までの3段階で行なわれます。

ただし、第V相試験に多くの時間を要する抗がん剤に関しては、第U相試験までの結果をもとに、第V相の試験実施計画もあわせて承認申請を行なうことがあります。